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旅の思いで

今日の東京は雲が少しでているものの、その向こうにある空は真っ青で、気持ちが洗われる
そして空気は、昨日より少し引き締まって、ピンと張りつめていて、すぐに冬が来る事を知らせてくれているようだ

遠い空の下にいる大切な友人は、今何をしているのだろう?

旅から帰って、もう二日

伝えなければいけない事が山のようにある

柳田酒造
今年35歳の柳田 正さんのもとを訪れた
その土地で、焼酎蔵として一番歴史のある柳田酒造は、宮崎と鹿児島との県境に位置する都城にある
元々この街には、11の焼酎蔵があった
だが今は、たった3つの蔵しか残っていない
理由は芋焼酎最大手の蔵によって、商売にならなくなったからだ
力が無かったと言えば、それまでだ
それでも生き残る必要があった

30年前、都城では大手の芋焼酎しか飲まれなくなった
柳田酒造も本当は商売を畳んでしまおうと思っていた
しかし、都城最古の歴史をもつ蔵に、地元の方々は他の道を探してでも、残ってほしいと訴えかけた
そこで当時の社長は芋焼酎をあきらめ、当時流行りだしていた「麦」焼酎を作る事にしたのだ
そして、食中酒としての麦焼酎「駒」が誕生したのだ

時が経ち、その蔵の息子も大人になった
東京の大学をでて、エンジニアとして働いていた蔵の次男、正さんが何故か蔵を次ぐ事になった
長男は焼酎を作るための大学を出ていたのだが、東京で別の仕事をして、そこでエリートコースに乗ってしまい
宮崎には帰れなくなっていたのだ

「焼酎の事なんか、何もわからなかった」
正さんは素直に話してくれた
蔵に戻って来た時に、最初に目が向いたのが蒸留機だったそうだ
もともとエンジニアだったから、焼酎にとって大切な微生物や酵母のことよりも、機械いじりが楽しかったようだ
それに、正さんが戻ったからには、もう一度、もともとあった芋焼酎「千本桜」を復活させようとも考えていた
だが、その考えは一人の酒屋さんの言葉で一蹴された
「お前が芋焼酎を作っても、オレはお前の酒を置いてやらんよ」
考えさせられた
30年前、蔵を守るために、先代が芋焼酎をあきらめ、麦焼酎造りに没頭した歴史を思い知らされた
その先代の麦焼酎を超えるものを作ったとき、初めて芋を作れるのだ

そして5年程前、正さんの処女作「赤鹿毛」(あかかげ)が誕生したのだ
酵母や麹の微生物のことは、あまり分からないが、機械のことなら少しは分かる
蒸留機を自分で改造し、先代の作った「駒」をもとに、新しい蒸留法で作り上げたのだ

きつい言葉で激励していた酒屋さんも、納得してくれた
そして去年、第2作「青鹿毛」(あおかげ)も出来上がった
こちらも「駒」がベースになっている
この焼酎は食後酒として、位置づけている

既に2つの作品を作ったが、まだ芋焼酎には手を出さないそうだ
なにしろ、2つとも「駒」をベースにしているからだ
全く新しい、別の麦焼酎を世に出してからでないと、その先に進めない

こんな話を聞きながら飲んだ、「駒」「赤鹿毛」「青鹿毛」は格別に旨かった
幻の芋焼酎「千本桜」が飲める日も、そう遠くはなさそうだ

遠い空の下で、それぞれ頑張っているすべての友人に贈ります
そんなに力になれないかも知れないけど、皆、あなたを見守っていますよ

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コメント

昨日はありがとうございました。

地鶏の炭火焼き、厚焼きどっちも今まで食べた事が無い逸品でした。
そして何より焼酎!

麦はあまり飲まないんですけど本当にまろやかで作り手の思いが伝わってくる良いお酒でした。
作り手の思いが見える居酒屋ってなかなか少ないんで、話をしていても楽しいです。

またよろしくお願いします。

投稿: m@sa | 2008年11月20日 (木) 12時22分

>m@saさん
お土産美味しく食べて頂いてなによりです
もっと焼酎を知ってほしくて、僕らも研修に行ったのです
これからも宜しくお願いします

投稿: じんざえもん | 2008年11月20日 (木) 16時23分

たくさん人知れず努力して報われたり報われなかったり…思い通りの人生を送ったり不本意な人生を送ったり…でも熱い思いを忘れない人たちがいると思いますが、少しでもその何かに触れることができたら、こちらも幸せですね
今度伺ったらじっくり味わわせていただきたいと思います

投稿: なかむ | 2008年11月21日 (金) 20時49分

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